♪物理を使おう



高校で習ったことなどをつかって日常生活を考察してみようという企画です。
いざ考えてみると難しいものが沢山!!


エスカレーター

議題
エスカレーターに乗っている時に目薬を差すとどうなるでしょうか?


ヒント
このたぐいの問題は「それでも地球は回っている」で有名なガリレオ・ガリレイが考えてました。 船の帆から鉄球を落としたらどうなるとか…そういう実験をしたりしたそうです。ガリレオさん以前は 慣性という概念がなかったので、このたぐいの問題を正しく理解することができませんでした。

慣性の法則を考えてみよう!!
動いているものは動き続けるというのが“慣性の法則”と教えられたでしょう?
簡単に考えるなら、「エスカレーターに乗っているとき、目薬も僕の目も同じ速さで動き続けているから、 普通に目薬がさせる」
というのが答えでしょう。もちろん人とかに押されたりしたら危険ですがね(笑)

一歩進めた議論
一定速度で動き続けている環境を慣性系と呼びます。
この場合、エスカレーターに乗っている人と エスカレーターに乗ってなくて止まっている人は別々の慣性系にいると言います。
そして大切なことで、

物理法則は慣性系によらずに普遍的である

と信じられています。なんだか話が一気に難しくなったように思われるかも知れませんが、 簡単に言うと、「どんな慣性系でも物理法則は変わんないぞ」ということです。

だから、この考え方に従うと「エスカレーターに乗ってようが、降りてようがまったく同じ慣性系なんだ!だから目薬だって 何ら問題なくさせるんだ!」と考えられるのです。

「物理法則は慣性系によらず普遍的である」。この信念を貫き通したのが有名なアインシュタインでした。 その考えを光にまで適応したのが特殊相対性理論なのでした。

実験しよう
この事をより実感するためには、実際に目薬を差してみることをお勧めします。 けど誰もいないエスカレーターで試したほうが安全でしょう。

またこれを実践してみて何か目に怪我をされても責任は取りませんので、怪我しそうならやめてください。





電車

議題
電車の中で目薬を差せるか

ヒント
電車とエスカレーターの違いを考えてみよう。

加速度を考えてみよう

エスカレーターは一定の速度で動いていました。一定の速度で動いている系を慣性系と言うと前節でお話しました。
それでは電車の中ではどうでしょうか?少し考えてみましょう。

電車ははじめ止まっています。
そして人を乗せたら出発進行!!電車は加速していきます。
そしてある速度になったら加速をやめて一定の速度で運行します。
そして駅が近づいたら、減速して駅に停まります。

エスカレーターと大きく違うのは電車が加速,減速をしているということです。
この時は電車は一定の速度ではありませんから、電車の中は慣性系ではないということが分かります。

では加速している時に目薬を差そうとしたらどうなるでしょうか?
それは目薬から離れた水滴は、電車の進行方向より後ろに動いているように見えるでしょう。
だから、加速している時に目薬の真下に目を置いて目薬を差そうとしても、目からはずれた位置に水滴が落ちるでしょう。

これはどういう事かと言うと、水滴は自由落下している時に一定の速さで進んでいますが、人は電車に乗っているので どんどん加速されていると言うことです。

…けど文字ではちょっとわかりにくいですね

もっとわかりやすく

加速する電車の中でボールを真上に投げたらどうなるかを考えてみましょう。
仮に加速中である電車の速度が30キロの時に真上に投げたとします。
そのボールは30キロの速さのまま、上に上がって落ちてきます。
しかし人は電車によって加速されているので30キロよりも速いスピードになっています。
だからボールはなげた位置よりも後ろに落ちるのです。

もし電車が加速してなかったら、ボールは真下に落ちてきます。
それは当然と言えば当然のことでもありますり、 等速運動の時は慣性系だから地上と同じであるとも言えますね。

一歩進めた議論

加速している系でボールを真上に投げると、ボールが後ろに落ちて見えると書きました。
だから電車に乗っている人達には、まるでボールに力がかかっているように見えるのです。
しかし、よ〜く考えてみると、ボールには力がかかってなくて、人々が力を加えられて加速しているのです。

このボールに力がかかっているように見えることを見せかけの力と言います。

みんな一度は聞いたことがある「遠心力」も実際は見せ掛けの力で、本当の力は向心力なのでです。
それに関してはいつか詳しくお話したいです。



電車の中でキャッチボールをしたら?

メールで質問をもらったので、答えます。さて、どうなるのと思いますか?
まずは、加速している状態と、等速で走っている状態とでは、状況がまったく異なるということを
しっかりと頭にイメージできるようになってるでしょうか?電車が等速の状況においては、慣性系であるので、
中でキャッチボールしても地上となんら変わりなくボールを投げることも受けることもできるでしょう。

さて、問題は加速中にどうなるかです。
まず状況設定ですが、加速中に電車の先頭からA君がボールを投げ、後方にいるB君が受けるとしましょう。
電車が止まっているときにA君が50キロでボールを投げました。
その投げたと同時に電車が加速し始め、B君の元にボールが飛んでくるまでには電車が50キロになっていたとしましょう。
そのとき、B君にとっては50+50で100キロでボールが飛んできます。 速さってなに?

議題
車に乗っている時にメーターで「100キロ」ってでてるけど、その時にメーターが指している速さって何?



とっぷぺーじ